税理士事務所に就職してから5回目となる所得税申告が終了しました。
毎年この時期は、体力的・精神的に疲弊し、勉強が思うように進まないツラい時期なのですが、
今年も無事に終えることができて、良かったです。
特に、コロナウイルスが流行っているなか、体調を崩すこともなく過ごせたというのは幸いでした。
手洗いやうがい、マスクの着用など、衛生管理の大切さを実感しました。
さて、今年の所得税申告は、この5年で一番、体力的・精神的な負担を少なく終えることができました。
表題のとおり、税理士試験で所得税法を選択して良かったと思っています。
申告期限延長が体力的・精神的な負担を緩和した影響は確かにあると思いますが、
所得税法を勉強した成果を実感しました。
では、その所得税法を勉強した成果とは何だったのでしょうか?
考えてみたところ、次の3点が思い浮かびました。
・所得税法全体を俯瞰できたことにより、安心感を得たこと
・一つの処理が、税額計算に与える影響の大小に検討がつくようになったこと
・考えなくて良いことに時間、労力を割かないようになったこと
それぞれについて、見ていきます。
Contents
所得税法全体を俯瞰できたことにより、安心感を得たこと
以前は、
「どのように処理したらいいのかわからない、難解な取引が出てきたらどうしよう・・。」
と怯えていました。
不安な精神状態で仕事をして、良いことは何もありません。
ミスも多くなります。
所得税法を選択して、みっちり(・・・とは言えないかもしれませんが、それなりにw)勉強したこととで、
「わからないことが出てきても、調べればなんとかなる!!」
と思うようになりました。
所得税法の全体像を掴めたからこそ、所得税の手引書(1000ページを軽く超えます)で
見たいページに早くたどり着けるようになりました。
しかも、そのページを読んだときに、それなりに意味が分かります。
調べる時間が減ったということは、時間がない中で使える時間がその分だけ増えた、とも言えます。
所得税法全体を俯瞰できる、というのは、所得税法を体系的に勉強したから得られるものです。
これは大きな成果の一つです。
一つの処理が、税額計算に与える影響の大小に検討がつくようになったこと
所得税法の特徴として、「税額の計算構造がやや複雑」というのが挙げられます。
損益通算といって、赤字の所得を黒字の所得と相殺したり(相殺できる組み合わせ、できない組み合わせがあります。)、
所得控除といって、納税者の生活費を考慮したり。
「税額○○円」が出るまでのプロセスが長いのです。
以前は、すべての処理を税務ソフトに入力してからでないと、税額がいくらになるのかわかりませんでした。
今は、やろうとすれば、電卓を操作しつつ手書きで計算することもできます。
申告書を作成するための資料を見たときに、それが税額にどの程度の影響を与えるのか、
わかるようになりました。
それは、「申告書作成に重要な書類から確認する、無ければ早急に依頼する」ということもできるようになった、ということでもあります。
作業効率は以前と比べると、格段に改善したと感じています。
これが、所得税法を選択して得られた成果の2つ目です。
考えなくて良いことに時間、労力を割かないようになったこと
「やらなくてよいことをやらない」というのは、効率を高める上で重要なことです。
税額計算に与える影響の大小に検討がつくようになったことで、
「これは税額に影響が出ないから、無視しても問題ないな。」という判断もできるようになりました。
意外とこの判断をする機会は多かった気がします。
1つの申告書を作るのに、複数回この判断をしたこともありました。
以前の私の所得税申告時期の過ごし方に、無駄がいかに多かったかを気づかされました。
考え、悩む時間・労力が無駄だとは思いませんが、
考えすぎ、悩みすぎは体力・気力を奪い、ストレスになります。
勉強して、知識をつけることで、ストレスを減らせるということは、
勉強して、知識をつけることで、気持ちに余裕ができるということ。
気持ちに余裕をもって仕事ができれば、
税理士試験の勉強に集中して取り組めるから、今やっている住民税の勉強から合格という成果を得やすくなるはずなのです。
これが3つ目の成果です。
あとがき
そもそも、私が税理士試験の受験科目として所得税法を選択したのは、
「勉強する時間と精神的なゆとりを確保するため」でした。

当初の目的を果たすことができたと思うので、所得税法を選択して良かったです。
また、所得税法を勉強することによって、所得税法の奥深さを知りました。
税理士試験の所得税法に合格したところで、私は所得税について大したことはわかっていません。
しかし、合格したことで、所得税法が私にとって、より親しみのある税法となったのは確かです。
これからも、少しずつ勉強を重ねて、知識に厚みをつけていきたいです。